ドラマと映画と日常と byカッパ

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2022年秋 秀逸なオリジナル脚本ドラマ4本

今クールはオリジナル脚本のドラマが快調だ。

1.「エルピス―希望、あるいは災い―」<月曜夜10時フジテレビ系>

オリジナル脚本は渡辺あや、主演は長澤まさみ、眞栄田郷敦。落ち目の“女子アナ”たちが殺人事件の冤罪を疑い、真実を明らかにすべく奮闘する。マスコミがきっかけを作り、警察が冤罪を形作った、という図式が浮かんで来る中、何度もくじけそうになりながら(というよりくじけながら)真実に近づこうとする「見捨てられた人々」であるテレビマンにグッと来る。

マスコミ&政治批判をしっかり描いた尖った脚本は、NHK作品が多い脚本家・渡辺あやがプロデューサー佐野亜裕美に託し、佐野の執念によって実を結んだという。マスコミ批判を自ら引き受けたフジテレビの懐の深さに、期待が高まる。

 

www.ktv.jp

2.「silent」<木曜夜10時フジテレビ系>

オリジナル脚本は生方美久。川口春奈、目黒蓮(Snow Man)主演の恋愛ドラマ。中途失聴となった青年を目黒が好演。繊細な感性のキャラクターが多く、他者への思いやりに揺れ、ゆえに恋の行方や登場人物の行動が先読みできず、思わず引き込まれてしまう。

脚本家・生方美久はまだこれからという立場ゆえ(過去代表作は、第33 回フジテレビヤングシナリオ大賞 『踊り場にて』)、この手応えは大穴という印象。

この繊細さと蓮ライドラマというところで思い出したのが、坂元裕二脚本の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)。同じプロデューサー(村瀬健)という共通点は非常に、気になるところ。

 

www.fujitv.co.jp

3.「アトムの童」<日曜夜10時TBS系>

オリジナル脚本は、神森万里江、山﨑賢人、松下洸平、岸井ゆきの主演。例によってテーマ曲から大仰で、個人的に当たり外れを大きく感じやすい日曜劇場。だが今回「圧倒的ヒーロー」ではない主人公たちにより、俳優の力量もあって、程よい力具合で心地よく見られる。オダギリ・ジョーの悪役もハマっているのも見どころだ。

ゲーム界の闇に飲み込まれたプログラマーが、アナログおもちゃメーカーの職人たちと出会いリスペクトし合いながら、新しいゲーム作りへ乗り出す。敵役から仕掛けられるトラブルと、主人公たちの立ち直りのシーソーゲームがテンポが良く楽しめる。

 

 

www.tbs.co.jp

4.舞い上がれ!<月〜金曜朝8時NHK総合>

桑原亮子作、嶋田うれ葉・佃良太が脚本協力、主演は福原遥。1990年代から始まる現代物で、子ども時代に舞台をものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島に行き来しながら、病弱だった少女がしなやかな強さを育む。

子ども時代にバラモン凧、大学時代に人力飛行機と、ものづくりを経て空への憧れをパワーアップさせ、パイロットを目指すに至る流れがよくできて、多くの視聴者を引きつけてきた。

『Silent』主演の1人である目黒蓮(Snow Man)も登場し、いよいよ航空学校パートで盛り上がりを見せるかと思いきや、脚本が桑原亮子から嶋田うれ葉の回へ交代というタイミングで、キャラクターも演出も大きく変わってしまったという評判も。まだまだ、折り返しに期待を持って見守りたい。

 

www.nhk.or.jp

 

オリジナル脚本で成功するドラマが多いのは、脚本家の力を信頼できるということであり、嬉しい限り。まずは今クール4つのドラマで、最高のゴールインを期待したい。

 

 

 

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